データヘルステクノロジーで次世代医療情報システムを構築

 

ヘルスデータは様々なところに散らばって存在しています。個人には日々のヘルスデータ(体重・体温・血圧など)や定期健診のデータがあります。医療機関にはカルテ情報・検査情報・画像情報・処方薬情報などがあります。さらに、薬局、訪問看護ステーション、訪問マッサージ、介護施設、ケアマネージャー(居宅介護事業所)にも様々なヘルスデータが存在します。

現状、これらのヘルスデータのうち患者さんのケアへと利活用されているものはごく一部です。全ての情報をリアルタイムで収集し活用することで、必要な時に必要なだけの適切な医療サービスを提供・享受できるようになります。

さらにデータの蓄積を進めビッグデータとすることで、AIによる高度な予防医療や問診、診察のサポートが実現します。

患者さんの最高の時間・場所・状況で最高の医療サービスを提供・享受できる新たな医療サービスを体験できるようになります。

医療難民をゼロに、遠隔医療でいつでもどこでも医療を享受できる環境に

 

Telemedicineは遠隔診療です。オンライン診療が注目されていますが、5G通信により今後多くの医療サービスが遠隔で提供されるようになります。

5G通信は超高速・超低遅延延・超多数同時接続での通信が可能です。これにより、医師対面ではなくても高品質な医療が提供できるようになります。都市圏への医師の偏在問題を解決し、医療過疎地域との医療格差をなくします。

具体的には次のようなことが実現できるようになります。

スマートフォンやPCを利用して、患者さんの都合の良い時間・場所で診察ができます。インターネットが繋がっていれば海外でも可能です。

My Karteと連携させることで、より正確な診断に役立ったり、患者さんが気づかなくても医療機関側から診察を勧めることも可能になり、重症化の防止や予防医療ができるようになります。

AIによる正確な問診により診察のサポートができます

 

■医師 対 医師の遠隔病理診断・画像診断

本来は安定したネットワークのある院内ネットワークでしか使用できなかったCTなどの超高精細画像をリアルタイムで遠隔地でも確認できるようになります。例えば、離島の総合診療医が本土の専門医のサポートをアルタイムで受けることができるようになります。

 

■救急車へのリアルタイム指示

医師は病院に居ても、リアルタイムで救急者内の患者さんを診ながら、救急隊へ指示を出し続けられます。

 

■遠隔手術

専門的な外科手術ができる医師が居なくても、遠隔手術機器を遠隔操作することで、患者さんの治療を行うことができます。

 

■スタッフ教育

専門性の高い外科手術では、その術式を覚えるために手術に参加することが必要でした。手術をリアルタイム配信することで、離れた場所に居る若い医師の教育に役立ちます。さらにVR(仮想現実)技術を組み合わせることで、様々な角度で病変部位や手技を観察できるようになり、医師のレベル向上に役立ちます。

活用しきれていなかった全てのヘルスデータを個人で管理できる時代へ

 

My KarteはPHR(Personal Health Record)という個人主体の「生涯カルテ」です。個人主体でヘルスデータを管理・活用できるプラットフォームとなります。

My Karteにより、個人のヘルスデータ、検査データ、診療情報は自分で管理できるようになります。そして、医療機関と個人が繋がることで、新しい医療サービスを体験できるようになります。

患者さんは自分自身の「生涯カルテ」を保有することで、いつでもどこでも最適な医療サービスを利用できるようになります。

医療機関は他の医療機関や健診などの過去の診療情報や日々のヘルスデータを得られるため、正確な診察や予防医療に役立ちます。

セキュアなデータ共有と保管

 

AOS IDXで、院内外に散らばったヘルスデータを、クラウド上のデータルームに保管します。どこからでもアクセスが可能ですが、必要な人のみが編集・閲覧をできるように制限を掛けられるので安心です。

 

■院内のデータ管理

院内には事務用、電子カルテ用、医療画像用、検査用・・・という形で複数のネットワークがそれぞれ独立して存在しています。それぞれのネットワーク同士はお互いにアクセスができないため、USBメモリやWEBメールなどを用いデータの移動を行うことがあるかもしれませんが、データ流出の危険が伴います。AOS IDXを用いれば、データの移動をさせる必要がなく、またデータ操作に関する権限付与(スタッフによって閲覧可否の権限を変えられる等)もできるため、安心してデータの管理ができます。

 

■院外へのデータ管理

医療機関では様々な機関と連携が必要になります。病病連携、病診連携、薬局、訪問看護、訪問マッサージ、ケアマネジャー、介護施設・・・など情報のやりとりをする相手は多岐にわたります。現在はFAX、郵送、USBメモリ、電子メールを利用することが多いですが、データ流出の危険が伴います。AOS IDXでは、外部の方にでも特定のファイルのデータダウンロード権限を与えられます。また、閲覧履歴やダウンロード履歴も分かるので、先方の確認状況も分かります。データを取りに来てもらえばデータを持ち出す必要も、紙に出す必要も無くなるのです。

 

参考)

特定非営利活動法人日本ネットワークセキュリティ協会がまとめている「2018年 情報セキュリティインシデントに関する調査報告書」によると、漏洩原因では紛失・置忘れが1位、誤操作が2位です。媒体・経路別の漏洩件数は、紙媒体が1位、電子メールが3位、USB等可搬記録媒体が4位です。なお、業種別漏洩件数については全15種の業種中で医療福祉は第4位です。医療機関での紙、電子メール、USBでのデータ移動がいかに危険なのが分かります。

さらに、上記報告書では損害賠償についても記されています。1件当たりの漏洩人数1万3,334人、1件当たり平均想定損害賠償額6億3,767万円、1人あたり平均想定損害賠償額2万9,768円で、年々上昇傾向にあります。医療機関で1万人を超える情報流出はなかなか起こりにくいかもしれませんが、扱っている情報の性質上、守秘義務違反に当たることもあり、1人あたりの損害賠償額の単価は高くなる傾向にあるようです。中には1人で100万円を超える損害賠償の判決もあるようです。

     

出典)特定非営利活動法人日本ネットワークセキュリティ「2018年 情報セキュリティインシデントに関する調査報告書」